『美希の天下創世』を応援せざるを得ない理由あれこれ

まず最初にお断りしておきます。



これから書く内容には、『美希の天下創世』のネタバレ要素が含まれています。
未視聴の方は十分にご注意ください。



あと、多分に独りよがりな想像が多いです。
「お前の独断なんかしらねーよ」
「勝手な感想書くな」
「別所就治Pに失礼だろ」
等の感想を持ちそうな予感のする方は、以後の文章は読まない方がいいかもしれません。




・別所就治Pがやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!

たいして面白みのない長文を読んでいただけた上に、返信までいただいてしまいました。
いやはや、何でもやってみるものです。
喜びのあまり、思わず夜中に姫路城を撮影しに行ってしまうほどでして……
これが証拠↓



姫路菓子博開催中(5/11まで)



ブレがひどいですね、まるで酔っ払いが適当に撮影したかのようです。
ちなみに、私はビール1缶で千鳥足になる人間だったりします。



・『美希の天下創世』を応援している個人的理由あれこれ

夜の姫路城を簡単に撮影できていることからお分かりだと思いますが、私は姫路城のすぐ近くに住んでおります。
播磨からスタートした『美希の天下創世』には親近感を持たざるを得なかったわけです。
姫路城を見上げながら、
「あの天守閣にりっちゃんが……むふふ」
などと妄想できるのは地元民の特権。
別所就治Pにはホントにありがとうと言いたいですね。
大阪に足を向けては眠れません。



あと、時々使用される「オススメのゲーム」ことFF11の音楽が郷愁をそそるというのもあります。
同じゲームをプレイしていたというのは、やはり仲間意識みたいなものを感じますし。
まぁ、ひょっとしたらどこかでモンスターを奪い合い、「うぜえwww」と思いあった仲かもしれませんけど……



まずは2つ、母数の少ないであろう理由を述べてみました。
動画に付けられたコメントから判断すると、この2つに該当する視聴者は他にもいそうですが、そう多くはないと思います。



アイマスが好き、信長の野望シリーズが好き、戦国ドラマが好き。
これらの方が、当てはまる人間は圧倒的に多いでしょう。
もちろん私もそうです。
ただ、これらは他のアイマス架空戦記にも当てはまることなので、『美希の天下創世』を応援する理由、と言うには若干弱いかもしれません。



では、『美希の天下創世』を支援したい思える、特徴的な部分とはどこなのか?



私が初めて『美希の天下創世』を視聴した際、最初に受けた印象は「丁寧に作ってるなぁ」ということでした。
台詞はエコノミーでも潰れない大文字で、顔グラは影つき、しゃべってない時は半透明に。初出の武将は名前の読み仮名と年齢が明記されていて、ラストには使用素材や機材の詳細まで書かれています。
そんなわけで、もう流れていて記憶もあやふやですが、確か第1話のラストに「架空戦記の中でトップクラスにレイアウトが綺麗」みたいなコメントを付けました。



丁寧な作り。
『美希の天下創世』において、これはキーワードの1つになっていると思います。



・「丁寧さ」の話

ただ、丁寧に作ると言っても色々やり方があります。
こういう引き合いの出し方はどうかな、と思ったのですが……他にいい例が思いつかなかったので次の作品を使わせていただきたいと思います。



ケントゥリオPの『アイマス・トータルウォー』シリーズ
アイマス・トータルウォー



ご存知の方もいるかと思いますが、このシリーズ、出足は実に低空飛行でした。
あえて言わせていただくなら「見た目で損している」作品だったのです。
作者であるケントゥリオPが動画作成初心者であったようで、紙芝居のレイアウトやエンコードの点で他の架空戦記と比べ見劣りしてしまう部分が多く、また、古代ローマというあまりメジャーでない時代設定のせいもあってか、否定的なコメントもちらほら見受けられました。



しかしこの作品、時代考証や台詞回し、登場人物のキャラクター付けなどは実に優れています。
多人数が画面いっぱいに動き回るゲーム画面も壮観で、しっかりと時間を割いて魅せてくれます。
現在では腰痛Pを筆頭とした強力なプッシュもあってか、「世界史三部作」の一角と呼ばれるほどの高評価を得るまでになりました。
未視聴の方がいましたら、ぜひ1度は視聴していただきたい作品です。
台詞を加筆し、画質も大幅に向上した「高画質版」も最近アップされたので、今がチャンスですよ!



……話が少し逸れてしまいました。
要するに「ストーリーや素材の点で尽力していた動画がなかなか評価されないことがあった」と言いたかったのです。
アイマストータルウォー』が作りこまれた作品であることは、後の伸び方からも明らかだと思います。
ただ、その力が「見た目」にまで及んでいなかったため、理解されるまで時間がかかってしまった、というところでしょう。



話を『美希の天下創世』に戻します。
この作品の最初のイメージ、みなさんはどう感じられたでしょうか?



意味深な序文。
雰囲気のあるオープニング。
美しい一枚絵の数々と、高画質なエンコード



レイアウトや構成の練りこみ具合が、誰の目にも明らかだったのではないでしょうか。
「これは期待できる」と、多くの人が感じたと思います。



「見た目」は「面白さ」を左右する因子ではない。
それが私の意見なのですが、印象に大きく作用するのは間違いありません。
視聴者の興味を引き付けると言う意味で、別所就治Pは最初から成功していたと言っていいと思います。
丁寧に作られていることが、ダイレクトに伝わってくるのです。




・『美希の天下創世』における画面構成の話

丁寧に作られているかどうかは、見た目と同様、評価の良し悪しに直結してくる重要なポイントとなります。
しかし残念ながら、丁寧に作られていてもそれが理解されなければ評価されることはありません。
現実問題として、視覚、聴覚、といった五感に直接訴えかけるもの――使用される画像や音楽に評価が集まりやすいことは、誰でもなんとなく感じていることではないでしょうか。



その点、『美希の天下創世』は第1回から「丁寧に作られている」ことが直感的に伝わってくる作品でした。
というのも、画面構成が「ほとんど完成している」と言ってよいほど優れていたからです。



では、別所就治Pはどのように動画を作成されているか見てみることにします。



動画で使用されている三木城の1枚絵


データファイル#1で紹介されたゲーム画面 その1



並べてみるとよく分かりますね。
見ての通り、本編で使用される三木城の1枚絵はゲーム画面を切り抜いてトリミングしたものです。
上下に黒抜きを作ることによって、見やすく印象的なものとなっています。
さらに言うと、ちょっと分かり辛いと思うのですが、1枚絵の上下に薄く「ぼかし効果」が付加されていて、中央の三木城に意識が向くように配慮されています。



こういったレイアウトのこだわりは、『美希の天下創世』の至る所で見受けられます。


データファイル#1で紹介されたゲーム画面 その2



文字が説明画像の中心にかぶらないよう配置されているのはもちろん、説明文も文節で読みやすく区切られています。
右下では「ゲームシステム解説」と現在の状況を説明しつつ、メインの文章に集中できるよう、文字が半透明加工されています。



レイアウトを充実させるという努力は「面白さ」に直接結びつくものではありません。
しかし、視聴者に「頑張ってるな」という好意的な印象を与えることはできます。
これは非常に重要な点です。
好意的な印象を得た動画は、当然ながら視聴してみようという気になるからです。
もちろん内容が伴わなければ「期待はずれ」になるでしょうが、とりあえず見てもらえなければ評価も貰えないわけですから。



ただし、別所就治Pが「視聴者」の興味を引くことを意識してレイアウトにこだわったのかと問われれば、おそらく違うのではないかなと思います。
というのも、『美希の天下創世』本編シナリオや演出に、源流を同じくする「意図」が見え隠れしているからです。



その「意図」とは「分かりやすい動画を作ることの追求」です。
『美希の天下創世』を構成する、ほとんど全てといっていい要素――画面構成、シナリオ、演出、音楽などで、「分かりやすい動画を作るぞ!」という意図が強く感じられるのです。
「見た目」へのこだわりは、その「意図」が波及した、と考えるのが自然だと思います。



・次回、「分かりやすい」表現がもたらしたもの(仮)

えー、話まだ半分くらいです。
もっとスマートにまとめられないものなのか。
というかもっとこう、本編のあのシーンがどうとか、リッチャンハカワイイデスヨとか、「あずさー!俺だー!早く星井家に合流してくれー!」とか個人的な感想に移りたいのですが。
……たぶん次回でも到達しないだろうなぁ。



ともかく、また長々とお付き合いいただきありがとうございました。
次回もおそらく、というより間違いなく長文ですが、よかったらまたお付き合いください。